Service
Pods一番小さく一番シンプルな Kubernetes のオブジェクト。Pod とはクラスターで動作しているいくつかのコンテナのまとまりです。 の集合で実行されているアプリケーションをネットワークサービスとして公開する抽象的な方法。
Kubernetesでは、なじみのないサービスディスカバリーのメカニズムを使用するためにユーザーがアプリケーションの修正をする必要はありません。
KubernetesはPodにそれぞれのIPアドレス割り振りや、Podのセットに対する単一のDNS名を提供したり、それらのPodのセットに対する負荷分散が可能です。
- Serviceを利用する動機
- Serviceリソース
- Serviceの定義
- 仮想IPとサービスプロキシー
- 複数のポートを公開するService
- ユーザー所有のIPアドレスを選択する
- サービスディスカバリー
- Headless Service
- Serviceの公開 (Serviceのタイプ)
- Serviceのデメリット
- 仮想IPの実装について
- APIオブジェクト
- サポートされているプロトコル
- Future work
- 次の項目
Serviceを利用する動機
Pod一番小さく一番シンプルな Kubernetes のオブジェクト。Pod とはクラスターで動作しているいくつかのコンテナのまとまりです。 は停止が想定して設計されています。 Podが作成され、もしそれらが停止する時、Podは再作成されません。 Deployment複製されたアプリケーションを管理するAPIオブジェクト。 をアプリケーションを稼働させるために使用すると、Podを動的に作成・削除してくれます。
各Podはそれ自身のIPアドレスを持ちます。しかしDeploymentでは、ある時点において同時に稼働しているPodのセットは、その後のある時点において稼働しているPodのセットとは異なる場合があります。
この仕組みはある問題を引き起こします。もし、あるPodのセット(ここでは”バックエンド”と呼びます)がクラスター内で他のPodのセット(ここでは”フロントエンド”と呼びます)に対して機能を提供する場合、フロントエンドのPodがワークロードにおけるバックエンドを使用するために、バックエンドのPodのIPアドレスを探し出したり、記録し続けるためにはどうすればよいでしょうか?
ここでService について説明します。
Serviceリソース
Kubernetesにおいて、ServiceはPodの論理的なセットや、そのPodのセットにアクセスするためのポリシーを定義します(このパターンはよくマイクロサービスと呼ばることがあります)。
ServiceによってターゲットとされたPodのセットは、たいてい セレクターユーザーはラベルに基づいてリソースのリストをフィルタリングできます。 (セレクターなしのServiceを利用したい場合は下記を参照してください)によって定義されます。
例えば、3つのレプリカが稼働しているステートレスな画像処理用のバックエンドを考えます。これらのレプリカは代替可能です。— フロントエンドはバックエンドが何であろうと気にしません。バックエンドのセットを構成する実際のPodのセットが変更された際、フロントエンドクライアントはその変更を気にしたり、バックエンドのPodのセットの情報を記録しておく必要はありません。
Serviceによる抽象化は、クライアントからバックエンドのPodの管理する責務を分離することを可能にします。
クラウドネイティブのサービスディスカバリー
アプリケーション内でサービスディスカバリーのためにKubernetes APIが使える場合、ユーザーはエンドポイントをAPI ServerKubernetes APIを外部に提供する、マスター上のコンポーネントです。これがKubernetesコントロールプレーンのフロントエンドになります。 に問い合わせることができ、またService内のPodのセットが変更された時はいつでも更新されたエンドポイントの情報を取得できます。
非ネイティブなアプリケーションのために、KubernetesはアプリケーションとバックエンドPodの間で、ネットワークポートやロードバランサーを配置する方法を提供します。
Serviceの定義
KubernetesのServiceはPodと同様にRESTのオブジェクトです。他のRESTオブジェクトと同様に、ユーザーはServiceの新しいインスタンスを作成するためにAPIサーバーに対してServiceの定義をPOST
できます。
例えば、TCPで9376番ポートで待ち受けていて、app=Myapp
というラベルをもつPodのセットがあるとします。
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
name: my-service
spec:
selector:
app: MyApp
ports:
- protocol: TCP
port: 80
targetPort: 9376
この定義では、”my-service”という名前のついた新しいServiceオブジェクトを作成します。これはapp=Myapp
ラベルのついた各Pod上でTCPの9376番ポートをターゲットとします。
Kubernetesは、このServiceに対してIPアドレス(“clusterIP”とも呼ばれます)を割り当てます。これはServiceのプロキシーによって使用されます(下記の仮想IPとServiceプロキシーを参照ください)。
Serviceセレクターのコントローラーはセレクターに一致するPodを継続的にスキャンし、“my-service”という名前のEndpointオブジェクトに対して変更をPOSTします。
備考: Serviceはport
からtargetPort
へのマッピングを行います。デフォルトでは、利便性のためにtargetPort
フィールドはport
フィールドと同じ値で設定されます。
Pod内のポートの定義は名前を設定でき、ServiceのtargetPort
属性にてその名前を参照できます。これは単一の設定名をもつService内で、複数の種類のPodが混合していたとしても有効で、異なるポート番号を介することによって利用可能な、同一のネットワークプロトコルを利用します。
この仕組みはServiceをデプロイしたり、設定を追加する場合に多くの点でフレキシブルです。例えば、バックエンドソフトウェアにおいて、次のバージョンでPodが公開するポート番号を変更するときに、クライアントの変更なしに行えます。
ServiceのデフォルトプロトコルはTCPです。また、他のサポートされているプロトコルも利用可能です。
多くのServiceが、1つ以上のポートを公開する必要があるように、Kubernetesは1つのServiceオブジェクトに対して複数のポートの定義をサポートしています。
各ポート定義は同一のprotocol
または異なる値を設定できます。
セレクターなしのService
Serviceは多くの場合、KubernetesのPodに対するアクセスを抽象化しますが、他の種類のバックエンドも抽象化できます。 例えば:
- プロダクション環境で外部のデータベースクラスターを利用したいが、テスト環境では、自身のクラスターが持つデータベースを利用したい場合
- Serviceを、異なるNamespace内のServiceや他のクラスターのServiceに向ける場合
- ワークロードをKubernetesに移行するとき、アプリケーションに対する処理をしながら、バックエンドの一部をKubernetesで実行する場合
このような場合において、ユーザーはPodセレクターなしで Serviceを定義できます。
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
name: my-service
spec:
ports:
- protocol: TCP
port: 80
targetPort: 9376
このServiceはセレクターがないため、対応するEndpointオブジェクトは自動的に作成されません。
ユーザーはEndpointオブジェクトを手動で追加することにより、向き先のネットワークアドレスとポートを手動でマッピングできます。
apiVersion: v1
kind: Endpoints
metadata:
name: my-service
subsets:
- addresses:
- ip: 192.0.2.42
ports:
- port: 9376
備考:Endpointのipは、loopback (127.0.0.0/8 for IPv4, ::1/128 for IPv6), や link-local (169.254.0.0/16 and 224.0.0.0/24 for IPv4, fe80::/64 for IPv6)に設定することができません。
kube-proxykube-proxyはクラスター内の各Nodeで動作しているネットワークプロキシです。 が仮想IPを最終的な到達先に設定することをサポートしていないため、Endpointのipアドレスは他のKubernetes ServiceのClusterIPにすることができません。
セレクターなしのServiceへのアクセスは、セレクターをもっているServiceと同じようにふるまいます。上記の例では、トラフィックはYAMLファイル内で192.0.2.42:9376
(TCP)で定義された単一のエンドポイントにルーティングされます。
ExternalName Serviceはセレクターの代わりにDNS名を使用する特殊なケースのServiceです。さらなる情報は、このドキュメントの後で紹介するExternalNameを参照ください。
エンドポイントスライス
Kubernetes v1.16
alpha- バージョン名には
alpha
がつきます(例:v1alpha1
)。 - 現在もバグが多く含まれる可能性があり、この機能を利用するとバグが顕在化することがあります。そのため、現時点ではデフォルトで無効化されています。
- 予告なく、随時この機能のサポートを中止する場合があります。
- 予告なく、今後のリリースにおいて、互換性のないAPIの仕様変更が入る場合があります。
- 一時的な検証目的の利用に留めてください。現時点ではバグが顕在化するリスクが高く、また長期的なサポートも保証されていません。
エンドポイントスライスは、Endpointsに対してよりスケーラブルな代替手段を提供できるAPIリソースです。概念的にはEndpointsに非常に似ていますが、エンドポイントスライスを使用すると、ネットワークエンドポイントを複数のリソースに分割できます。デフォルトでは、エンドポイントスライスは、100個のエンドポイントに到達すると「いっぱいである」と見なされ、その時点で追加のエンドポイントスライスが作成され、追加のエンドポイントが保存されます。
エンドポイントスライスは、エンドポイントスライスのドキュメントにて詳しく説明されている追加の属性と機能を提供します。
仮想IPとサービスプロキシー
Kubernetesクラスターの各Nodeはkube-proxy
を稼働させています。kube-proxy
はExternalName
タイプ以外のService
用に仮想IPを実装する責務があります。
なぜ、DNSラウンドロビンを使わないのでしょうか。
ここで湧き上がる質問として、なぜKubernetesは内部のトラフィックをバックエンドへ転送するためにプロキシーに頼るのでしょうか。
他のアプローチはどうなのでしょうか。例えば、複数のAバリュー(もしくはIPv6用にAAAAバリューなど)をもつDNSレコードを設定し、ラウンドロビン方式で名前を解決することは可能でしょうか。
Serviceにおいてプロキシーを使う理由はいくつかあります。
- DNSの実装がレコードのTTLをうまく扱わず、期限が切れた後も名前解決の結果をキャッシュするという長い歴史がある。
- いくつかのアプリケーションではDNSルックアップを1度だけ行い、その結果を無期限にキャッシュする。
- アプリケーションとライブラリーが適切なDNS名の再解決を行ったとしても、DNSレコード上の0もしくは低い値のTTLがDNSに負荷をかけることがあり、管理が難しい。
user-spaceプロキシーモード
このモードでは、kube-proxyはServiceやEndpointオブジェクトの追加・削除をチェックするために、Kubernetes Masterを監視します。
各Serviceは、ローカルのNode上でポート(ランダムに選ばれたもの)を公開します。この”プロキシーポート”に対するどのようなリクエストも、そのServiceのバックエンドPodのどれか1つにプロキシーされます(Endpointを介して通知されたPodに対して)。
kube-proxyは、どのバックエンドPodを使うかを決める際にServiceのSessionAffinity
項目の設定を考慮に入れます。
最後に、user-spaceプロキシーはServiceのclusterIP
(仮想IP)とport
に対するトラフィックをキャプチャするiptablesルールをインストールします。
そのルールは、トラフィックをバックエンドPodにプロキシーするためのプロキシーポートにリダイレクトします。
デフォルトでは、user-spaceモードにおけるkube-proxyはラウンドロビンアルゴリズムによってバックエンドPodを選択します。
iptables
プロキシーモード
このモードでは、kube-proxyはServiceやEndpointオブジェクトの追加・削除のチェックのためにKubernetesコントロールプレーンを監視します。
各Serviceでは、そのServiceのclusterIP
とport
に対するトラフィックをキャプチャするiptablesルールをインストールし、そのトラフィックをServiceのあるバックエンドのセットに対してリダイレクトします。
各Endpointオブジェクトは、バックエンドのPodを選択するiptablesルールをインストールします。
デフォルトでは、iptablesモードにおけるkube-proxyはバックエンドPodをランダムで選択します。
トラフィックのハンドリングのためにiptablesを使用すると、システムのオーバーヘッドが少なくなります。これは、トラフィックがLinuxのnetfilterによってuser-spaceとkernel-spaceを切り替える必要がないためです。
このアプローチは、オーバーヘッドが少ないことに加えて、より信頼できる方法でもあります。
kube-proxyがiptablesモードで稼働し、最初に選択されたPodが応答しない場合、そのコネクションは失敗します。
これはuser-spaceモードでの挙動と異なります: user-spaceモードにおいては、kube-proxyは最初のPodに対するコネクションが失敗したら、自動的に他のバックエンドPodに対して再接続を試みます。
iptablesモードのkube-proxyが正常なバックエンドPodのみをリダイレクト対象とするために、PodのReadinessProbeを使用してバックエンドPodが正常に動作しているか確認できます。これは、ユーザーがkube-proxyを介して、コネクションに失敗したPodに対してトラフィックをリダイレクトするのを除外することを意味します。
IPVSプロキシーモード
Kubernetes v1.11
stable- バージョン名は、
vX
(X
はバージョン番号を示す整数) という規則でつけられています。 - 安定版となっている機能は、これ以降のバージョンにおいても長期にわたって利用可能です。
ipvs
モードにおいて、kube-proxyはServiceとEndpointオブジェクトを監視し、IPVSルールを作成するためにnetlink
インターフェースを呼び出し、定期的にKubernetesのServiceとEndpointとIPVSルールを同期させます。
このコントロールループはIPVSのステータスが理想的な状態になることを保証します。
Serviceにアクセスするとき、IPVSはトラフィックをバックエンドのPodに向けます。
IPVSプロキシーモードはiptablesモードと同様に、netfilterのフック関数に基づいています。ただし、基礎となるデータ構造としてハッシュテーブルを使っているのと、kernel-spaceで動作します。
これは、IPVSモードにおけるkube-proxyはiptablesモードに比べてより低いレイテンシーでトラフィックをリダイレクトし、プロキシーのルールを同期する際にはよりパフォーマンスがよいことを意味します。
他のプロキシーモードと比較して、IPVSモードはより高いネットワークトラフィックのスループットをサポートしています。
IPVSはバックエンドPodに対するトラフィックのバランシングのために多くのオプションを下記のとおりに提供します。
rr
: ラウンドロビンlc
: 最低コネクション数(オープンされているコネクション数がもっとも小さいもの)dh
: 送信先IPによって割り当てられたハッシュ値をもとに割り当てる(Destination Hashing)sh
: 送信元IPによって割り当てられたハッシュ値をもとに割り当てる(Source Hashing)sed
: 見込み遅延が最小なものnq
: キューなしスケジューリング
備考:IPVSモードでkube-proxyを稼働させるためには、kube-proxyを稼働させる前にNode上でIPVSを有効にしなければなりません。
kube-proxyはIPVSモードで起動する場合、IPVSカーネルモジュールが利用可能かどうかを確認します。
もしIPVSカーネルモジュールが見つからなかった場合、kube-proxyはiptablesモードで稼働するようにフォールバックされます。
このダイアグラムのプロキシーモデルにおいて、ServiceのIP:Portに対するトラフィックは、クライアントがKubernetesのServiceやPodについて何も知ることなく適切にバックエンドにプロキシーされています。
特定のクライアントからのコネクションが、毎回同一のPodにリダイレクトされるようにするためには、service.spec.sessionAffinity
を”ClientIP”にセットすることにより、クライアントのIPアドレスに基づいたSessionAffinityを選択することができます(デフォルトは”None”)。
また、service.spec.sessionAffinityConfig.clientIP.timeoutSeconds
を適切に設定することにより、セッションのタイムアウト時間を設定できます(デフォルトではこの値は18,000で、3時間となります)。
複数のポートを公開するService
いくつかのServiceにおいて、ユーザーは1つ以上のポートを公開する必要があります。Kubernetesは、Serviceオブジェクト上で複数のポートを定義するように設定できます。
Serviceで複数のポートを使用するとき、どのポートかを明確にするために、複数のポート全てに対して名前をつける必要があります。
例えば:
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
name: my-service
spec:
selector:
app: MyApp
ports:
- name: http
protocol: TCP
port: 80
targetPort: 9376
- name: https
protocol: TCP
port: 443
targetPort: 9377
備考:KubernetesのPod名と同様に、ポート名は小文字の英数字と
-
のみ含める必要があります。また、ポート名の最初と最後の文字は英数字である必要があります。例えば、
123-abc
やweb
という名前は有効で、123_abc
や-web
は無効です。
ユーザー所有のIPアドレスを選択する
Service
を作成するリクエストの一部として、ユーザー所有のclusterIPアドレスを指定することができます。
これを行うためには.spec.clusterIP
フィールドにセットします。
使用例として、もしすでに再利用したいDNSエントリーが存在していた場合や、特定のIPアドレスを設定されたレガシーなシステムや、IPの再設定が難しい場合です。
ユーザーが指定したIPアドレスは、そのAPIサーバーのために設定されているservice-cluster-ip-range
というCIDRレンジ内の有効なIPv4またはIPv6アドレスである必要があります。
もし無効なclusterIPアドレスの値を設定してServiceを作成した場合、問題があることを示すためにAPIサーバーはHTTPステータスコード422を返します。
サービスディスカバリー
Kubernetesは、Serviceオブジェクトを見つけ出すために2つの主要なモードをサポートしています。 - それは環境変数とDNSです。
環境変数
PodがNode上で稼働するとき、kubeletはアクティブな各Serviceに対して、環境変数のセットを追加します。
これはDocker links互換性のある変数(
makeLinkVariables関数を確認してください)や、より簡単な{SVCNAME}_SERVICE_HOST
や、{SVCNAME}_SERVICE_PORT
変数をサポートします。この変数名で使われるService名は大文字に変換され、-
は_
に変換されます。
例えば、TCPポート6379番を公開していて、さらにclusterIPが10.0.0.11に割り当てられている"redis-master"
というServiceは、下記のような環境変数を生成します。
REDIS_MASTER_SERVICE_HOST=10.0.0.11
REDIS_MASTER_SERVICE_PORT=6379
REDIS_MASTER_PORT=tcp://10.0.0.11:6379
REDIS_MASTER_PORT_6379_TCP=tcp://10.0.0.11:6379
REDIS_MASTER_PORT_6379_TCP_PROTO=tcp
REDIS_MASTER_PORT_6379_TCP_PORT=6379
REDIS_MASTER_PORT_6379_TCP_ADDR=10.0.0.11
備考:Serviceにアクセスする必要のあるPodがあり、クライアントであるそのPodに対して環境変数を使ってポートとclusterIPを公開する場合、クライアントのPodが存在する前に Serviceを作成しなくてはなりません。
そうでない場合、クライアントのPodはそれらの環境変数を作成しません。ServiceのclusterIPを発見するためにDNSのみを使う場合、このような問題を心配する必要はありません。
DNS
ユーザーはアドオンを使ってKubernetesクラスターにDNS Serviceをセットアップできます(常にセットアップすべきです)。
CoreDNSなどのクラスター対応のDNSサーバーは新しいServiceや、各Service用のDNSレコードのセットのためにKubernetes APIを常に監視します。
もしクラスターを通してDNSが有効になっている場合、全てのPodはDNS名によって自動的にServiceに対する名前解決をするようにできるはずです。
例えば、Kubernetesの"my-ns"
というNamespace内で"my-service"
というServiceがある場合、KubernetesコントロールプレーンとDNS Serviceが協調して動作し、"my-service.my-ns"
というDNSレコードを作成します。"my-ns"
というNamespace内のPodはmy-service
という名前で簡単に名前解決できるはずです("my-service.my-ns"
でも動作します)。
他のNamespace内でのPodはmy-service.my-ns
といった形で指定しなくてはなりません。これらのDNS名は、そのServiceのclusterIPに名前解決されます。
Kubernetesは名前付きのポートに対するDNS SRV(Service)レコードもサポートしています。もし"my-service.my-ns"
というServiceが"http"
という名前のTCPポートを持っていた場合、IPアドレスと同様に、"http"
のポート番号を探すために_http._tcp.my-service.my-ns
というDNS SRVクエリを実行できます。
KubernetesのDNSサーバーはExternalName
Serviceにアクセスする唯一の方法です。
DNS Pods と ServiceにてExternalName
による名前解決に関するさらなる情報を確認できます。
Headless Service
場合によっては、負荷分散と単一のService IPは不要です。このケースにおいて、clusterIP(.spec.clusterIP
)の値を"None"
に設定することにより、”Headless”とよばれるServiceを作成できます。
ユーザーは、Kubernetesの実装と紐づくことなく、他のサービスディスカバリーのメカニズムと連携するためにHeadless Serviceを使用できます。
例えば、ユーザーはこのAPI上でカスタムオペレーターA specialized controller used to manage a custom resource
を実装することができます。
このService
においては、clusterIPは割り当てられず、kube-proxyはこのServiceをハンドリングしないのと、プラットフォームによって行われるはずの
ロードバランシングやプロキシーとしての処理は行われません。DNSがどのように自動で設定されるかは、定義されたServiceが定義されたラベルセレクターを持っているかどうかに依存します。
ラベルセレクターの利用
ラベルセレクターを定義したHeadless Serviceにおいて、EndpointコントローラーはAPIにおいてEndpoints
レコードを作成し、Service
のバックエンドにあるPod
へのIPを直接指し示すためにDNS設定を修正します。
ラベルセレクターなしの場合
ラベルセレクターを定義しないHeadless Serviceにおいては、Endpoint コントローラーはEndpoint
レコードを作成しません。
しかしDNSのシステムは下記の2つ両方を探索し、設定します。
ExternalName
タイプのServiceに対するCNAMEレコード- 他の全てのServiceタイプを含む、Service名を共有している全ての
Endpoint
レコード
Serviceの公開 (Serviceのタイプ)
ユーザーのアプリケーションのいくつかの部分において(例えば、frontendsなど)、ユーザーのクラスターの外部にあるIPアドレス上でServiceを公開したい場合があります。
KubernetesのServiceTypes
によって、ユーザーがどのような種類のServiceを使いたいかを指定することが可能です。
デフォルトではClusterIP
となります。
Type
項目の値と、そのふるまいは以下のようになります。
ClusterIP
: クラスター内部のIPでServiceを公開する。このタイプではServiceはクラスター内部からのみ疎通性があります。このタイプはデフォルトのServiceType
です。NodePort
: 各NodeのIPにて、静的なポート(NodePort
)上でServiceを公開します。そのNodePort
のServiceが転送する先のClusterIP
Serviceが自動的に作成されます。<NodeIP>:<NodePort>
にアクセスすることによってNodePort
Serviceにアクセスできるようになります。LoadBalancer
: クラウドプロバイダーのロードバランサーを使用して、Serviceを外部に公開します。クラスター外部にあるロードバランサーが転送する先のNodePort
とClusterIP
Serviceは自動的に作成されます。ExternalName
:CNAME
レコードを返すことにより、externalName
フィールドに指定したコンテンツ(例:foo.bar.example.com
)とServiceを紐づけます。しかし、いかなる種類のプロキシーも設定されません。備考:ExternalName
タイプのServiceを利用するためには、CoreDNSのバージョン1.7以上が必要となります。
また、Serviceを公開するためにIngressも利用可能です。IngressはServiceのタイプではありませんが、クラスターに対するエントリーポイントとして動作します。
Ingressは同一のIPアドレスにおいて、複数のServiceを公開するように、ユーザーの設定した転送ルールを1つのリソースにまとめることができます。
NodePort タイプ
もしtype
フィールドの値をNodePort
に設定すると、Kubernetesコントロールプレーンは--service-node-port-range
フラグによって指定されたレンジのポート(デフォルト: 30000-32767)を割り当てます。
各Nodeはそのポート(各Nodeで同じポート番号)への通信をServiceに転送します。
作成したServiceは、.spec.ports[*].nodePort
フィールド内に割り当てられたポートを記述します。
もしポートへの通信を転送する特定のIPを指定したい場合、特定のIPブロックをkube-proxyの--nodeport-address
フラグで指定できます。これはKubernetesv1.10からサポートされています。
このフラグは、コンマ区切りのIPブロックのリスト(例: 10.0.0./8, 192.0.2.0/25)を使用し、kube-proxyがこのNodeに対してローカルとみなすべきIPアドレスの範囲を指定します。
例えば、--nodeport-addresses=127.0.0.0/8
というフラグによってkube-proxyを起動した時、kube-proxyはNodePort Serviceのためにループバックインターフェースのみ選択します。--nodeport-addresses
のデフォルト値は空のリストになります。これはkube-proxyがNodePort Serviceに対して全てのネットワークインターフェースを利用可能とするべきということを意味します(これは以前のKubernetesのバージョンとの互換性があります)。
もしポート番号を指定したい場合、nodePort
フィールドに値を指定できます。コントロールプレーンは指定したポートを割り当てるか、APIトランザクションが失敗したことを知らせるかのどちらかになります。
これは、ユーザーが自分自身で、ポート番号の衝突に関して気をつける必要があることを意味します。
また、ユーザーは有効なポート番号を指定する必要があり、NodePortの使用において、設定された範囲のポートを指定する必要があります。
NodePortの使用は、Kubernetesによって完全にサポートされていないようなユーザー独自の負荷分散を設定をするための有効な方法や、1つ以上のNodeのIPを直接公開するための方法となりえます。
注意点として、このServiceは<NodeIP>:spec.ports[*].nodePort
と、.spec.clusterIP:spec.ports[*].port
として疎通可能です。
(もしkube-proxyにおいて--nodeport-addressses
が設定された場合、
LoadBalancer タイプ
外部のロードバランサーをサポートするクラウドプロバイダー上で、type
フィールドにLoadBalancer
を設定すると、Service用にロードバランサーがプロビジョニングされます。
実際のロードバランサーの作成は非同期で行われ、プロビジョンされたバランサーの情報は、Serviceの.status.loadBalancer
フィールドに記述されます。
例えば:
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
name: my-service
spec:
selector:
app: MyApp
ports:
- protocol: TCP
port: 80
targetPort: 9376
clusterIP: 10.0.171.239
type: LoadBalancer
status:
loadBalancer:
ingress:
- ip: 192.0.2.127
外部のロードバランサーからのトラフィックはバックエンドのPodに直接転送されます。クラウドプロバイダーはどのようにそのリクエストをバランシングするかを決めます。
いくつかのクラウドプロバイダーにおいて、loadBalancerIP
の設定をすることができます。このようなケースでは、そのロードバランサーはユーザーが指定したloadBalancerIP
に対してロードバランサーを作成します。
もしloadBalancerIP
フィールドの値が指定されていない場合、そのロードバランサーはエフェメラルなIPアドレスに対して作成されます。もしユーザーがloadBalancerIP
を指定したが、使っているクラウドプロバイダーがその機能をサポートしていない場合、そのloadBalancerIP
フィールドに設定された値は無視されます。
備考: もしSCTPを使っている場合、LoadBalancer
タイプのServiceに関する使用上の警告を参照してください。
備考:Azure において、もしユーザーが指定する
loadBalancerIP
を使用したい場合、最初に静的なパブリックIPアドレスのリソースを作成する必要があります。
このパブリックIPアドレスのリソースは、クラスター内で自動的に作成された他のリソースと同じグループに作られるべきです。
例:MC_myResourceGroup_myAKSCluster_eastus
割り当てられたIPアドレスをloadBalancerIPとして指定してください。クラウドプロバイダーの設定ファイルにおいてsecurityGroupNameを更新したことを確認してください。
CreatingLoadBalancerFailed
というパーミッションの問題に対するトラブルシューティングの情報は、Azure Kubernetes Service(AKS)のロードバランサーで静的IPアドレスを使用する や、高度なネットワークを使用したAKSクラスターでのCreatingLoadBalancerFailedを参照してください。
内部のロードバランサー
複雑な環境において、同一の(仮想)ネットワークアドレスブロック内のServiceからのトラフィックを転送する必要がでてきます。
Split-HorizonなDNS環境において、ユーザーは2つのServiceを外部と内部の両方からのトラフィックをエンドポイントに転送させる必要がでてきます。
ユーザーは、Serviceに対して下記のアノテーションを1つ追加することでこれを実現できます。
追加するアノテーションは、ユーザーが使っているクラウドプロバイダーに依存しています。
タブを選択してください。
[...]
metadata:
name: my-service
annotations:
cloud.google.com/load-balancer-type: "Internal"
[...]
[...]
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-internal: 0.0.0.0/0
[...]
[...]
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/azure-load-balancer-internal: "true"
[...]
[...]
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/openstack-internal-load-balancer: "true"
[...]
[...]
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/cce-load-balancer-internal-vpc: "true"
[...]
[...]
metadata:
annotations:
service.kubernetes.io/qcloud-loadbalancer-internal-subnetid: subnet-xxxxx
[...]
AWSにおけるTLSのサポート
AWS上で稼働しているクラスターにおいて、部分的なTLS/SSLのサポートをするには、LoadBalancer
Serviceに対して3つのアノテーションを追加できます。
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-ssl-cert: arn:aws:acm:us-east-1:123456789012:certificate/12345678-1234-1234-1234-123456789012
1つ目は、使用する証明書のARNです。これはIAMにアップロードされたサードパーティーが発行した証明書か、AWS Certificate Managerで作成された証明書になります。
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-backend-protocol: (https|http|ssl|tcp)
2つ目のアノテーションはPodが利用するプロトコルを指定するものです。HTTPSとSSLの場合、ELBはそのPodが証明書を使って暗号化されたコネクションを介して自分自身のPodを認証すると推測します。
HTTPとHTTPSでは、レイヤー7でのプロキシーを選択します。ELBはユーザーとのコネクションを切断し、リクエストを転送するときにリクエストヘッダーをパースして、X-Forwardef-For
ヘッダーにユーザーのIPを追加します(Podは接続相手のELBのIPアドレスのみ確認可能です)。
TCPとSSLでは、レイヤー4でのプロキシーを選択します。ELBはヘッダーの値を変更せずにトラフィックを転送します。
いくつかのポートがセキュアに保護され、他のポートではセキュアでないような混合した環境において、下記のようにアノテーションを使うことができます。
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-backend-protocol: http
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-ssl-ports: "443,8443"
上記の例では、もしServiceが80
、443
、8443
と3つのポートを含んでいる場合、443
と8443
はSSL証明書を使いますが、80
では単純にHTTPでのプロキシーとなります。
Kubernetes v1.9以降のバージョンからは、Serviceのリスナー用にHTTPSやSSLと事前定義されたAWS SSLポリシーを使用できます。
どのポリシーが使用できるかを確認するために、aws
コマンドラインツールを使用できます。
aws elb describe-load-balancer-policies --query 'PolicyDescriptions[].PolicyName'
ユーザーは”service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-ssl-negotiation-policy
“というアノテーションを使用することにより、複数のポリシーの中からどれか1つを指定できます。
例えば:
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-ssl-negotiation-policy: "ELBSecurityPolicy-TLS-1-2-2017-01"
AWS上でのPROXYプロトコルのサポート
AWS上で稼働するクラスターでPROXY protocolのサポートを有効にするために、下記のServiceのアノテーションを使用できます。
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-proxy-protocol: "*"
Kubernetesバージョン1.3.0からは、このアノテーションを使用するとELBによってプロキシーされた全てのポートが対象になり、そしてそれ以外の場合は構成されません。
AWS上でのELBのアクセスログ
AWS上でのELB Service用のアクセスログを管理するためにはいくつかのアノテーションが使用できます。
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-access-log-enabled
というアノテーションはアクセスログを有効にするかを設定できます。
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-access-log-emit-interval
というアノテーションはアクセスログをパブリッシュするためのインターバル(分)を設定できます。
ユーザーはそのインターバルで5分もしくは60分で設定できます。
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-access-log-s3-bucket-name
というアノテーションはロードバランサーのアクセスログが保存されるAmazon S3のバケット名を設定できます。
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-access-log-s3-bucket-prefix
というアノテーションはユーザーが作成したAmazon S3バケットの論理的な階層を指定します。
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-access-log-enabled: "true"
# ロードバランサーのアクセスログが有効かどうか。
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-access-log-emit-interval: "60"
# アクセスログをパブリッシュするためのインターバル(分)。ユーザーはそのインターバルで5分もしくは60分で設定できます。
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-access-log-s3-bucket-name: "my-bucket"
# ロードバランサーのアクセスログが保存されるAmazon S3のバケット名。
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-access-log-s3-bucket-prefix: "my-bucket-prefix/prod"
# ユーザーが作成したAmazon S3バケットの論理的な階層。例えば: `my-bucket-prefix/prod`
AWSでの接続の中断
古いタイプのELBでの接続の中断は、service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-connection-draining-enabled
というアノテーションを"true"
に設定することで管理できます。service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-connection-draining-timeout
というアノテーションで、インスタンスを登録解除するまえに既存の接続をオープンにし続けるための最大時間(秒)を指定できます。
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-connection-draining-enabled: "true"
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-connection-draining-timeout: "60"
他のELBアノテーション
古いタイプのELBを管理するためのアノテーションは他にもあり、下記で紹介します。
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-connection-idle-timeout: "60"
# ロードバランサーによってクローズされる前にアイドル状態(コネクションでデータは送信されない)になれる秒数
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-cross-zone-load-balancing-enabled: "true"
# ゾーンを跨いだロードバランシングが有効かどうか
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-additional-resource-tags: "environment=prod,owner=devops"
# ELBにおいて追加タグとして保存されるキー・バリューのペアのコンマ区切りのリスト
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-healthcheck-healthy-threshold: ""
# バックエンドへのトラフィックが正常になったと判断するために必要なヘルスチェックの連続成功数
# デフォルトでは2 この値は2から10の間で設定可能
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-healthcheck-unhealthy-threshold: "3"
# バックエンドへのトラフィックが異常になったと判断するために必要なヘルスチェックの連続失敗数
# デフォルトでは6 この値は2から10の間で設定可能
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-healthcheck-interval: "20"
# 各インスタンスのヘルスチェックのおよそのインターバル(秒)
# デフォルトでは10 この値は5から300の間で設定可能
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-healthcheck-timeout: "5"
# ヘルスチェックが失敗したと判断されるレスポンスタイムのリミット(秒)
# この値はservice.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-healthcheck-intervalの値以下である必要があります。
# デフォルトでは5 この値は2から60の間で設定可能
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-extra-security-groups: "sg-53fae93f,sg-42efd82e"
# ELBに追加される予定のセキュリティーグループのリスト
AWSでのNetwork Load Balancerのサポート
Kubernetes v1.15
beta- バージョン名には
beta
がつきます(例:v2beta3
)。 - コードが十分にテストされているため、この機能は安全に有効化できます。デフォルトでも有効化されています。
- 今後も継続して、この機能は包括的にサポートされる見通しですが、細かい部分が変更になる場合があります。
- 今後のbeta版または安定版のリリースにおいては、オブジェクトのデータの形式や意味の両方あるいはいずれかについて、互換性のない変更が入る場合があります。その際は、次期バージョンへの移行手順も提供します。その移行にあたっては、APIオブジェクトの削除・改変・再作成が必要になる場合があります。特に改変には、多少の検討が必要になることがあります。また、それを適用する際には、この機能に依存するアプリケーションの一時停止が必要になる場合があります。
- 今後のリリースにおいて互換性のない変更が入る可能性があります。そのため、業務用途外の検証としてのみ利用が推奨されています。ただし、個別にアップグレード可能な環境が複数ある場合は、この制限事項の限りではありません。
- beta版の機能の積極的な試用とフィードバックにご協力をお願いします!一度beta版から安定版になると、それ以降は変更を加えることが困難になります。
AWSでNetwork Load Balancerを使用するには、値をnlb
に設定してアノテーションservice.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-type
を付与します。
metadata:
name: my-service
annotations:
service.beta.kubernetes.io/aws-load-balancer-type: "nlb"
備考: NLBは特定のインスタンスクラスでのみ稼働します。サポートされているインスタンスタイプを確認するためには、ELBに関するAWS documentationを参照してください。
古いタイプのElastic Load Balancersとは異なり、Network Load Balancers (NLBs)はクライアントのIPアドレスをNodeに転送します。
もしServiceの.spec.externalTrafficPolicy
の値がCluster
に設定されていた場合、クライアントのIPアドレスは末端のPodに伝播しません。
.spec.externalTrafficPolicy
をLocal
に設定することにより、クライアントIPアドレスは末端のPodに伝播します。しかし、これにより、トラフィックの分配が不均等になります。
特定のLoadBalancer Serviceに紐づいたPodがないNodeでは、自動的に割り当てられた.spec.healthCheckNodePort
に対するNLBのターゲットグループのヘルスチェックが失敗し、トラフィックを全く受信しません。
均等なトラフィックの分配を実現するために、DaemonSetの使用や、同一のNodeに配備しないようにPodのanti-affinityを設定します。
また、内部のロードバランサーのアノテーションとNLB Serviceを使用できます。
NLBの背後にあるインスタンスに対してクライアントのトラフィックを転送するために、Nodeのセキュリティーグループは下記のようなIPルールに従って変更されます。
Rule | Protocol | Port(s) | IpRange(s) | IpRange Description |
---|---|---|---|---|
ヘルスチェック | TCP | NodePort(s) (.spec.healthCheckNodePort for .spec.externalTrafficPolicy = Local ) | VPC CIDR | kubernetes.io/rule/nlb/health=<loadBalancerName> |
クライアントのトラフィック | TCP | NodePort(s) | .spec.loadBalancerSourceRanges (デフォルト: 0.0.0.0/0 ) | kubernetes.io/rule/nlb/client=<loadBalancerName> |
MTCによるサービスディスカバリー | ICMP | 3,4 | .spec.loadBalancerSourceRanges (デフォルト: 0.0.0.0/0 ) | kubernetes.io/rule/nlb/mtu=<loadBalancerName> |
どのクライアントIPがNLBにアクセス可能かを制限するためには、loadBalancerSourceRanges
を指定してください。
spec:
loadBalancerSourceRanges:
- "143.231.0.0/16"
備考: もし.spec.loadBalancerSourceRanges
が設定されていない場合、KubernetesはNodeのセキュリティーグループに対して0.0.0.0/0
からのトラフィックを許可します。
もしNodeがパブリックなIPアドレスを持っていた場合、NLBでないトラフィックも修正されたセキュリティーグループ内の全てのインスタンスにアクセス可能になってしまうので注意が必要です。
Tencent Kubernetes Engine(TKE)におけるその他のCLBアノテーション
以下に示すように、TKEでCloud Load Balancerを管理するためのその他のアノテーションがあります。
metadata:
name: my-service
annotations:
# 指定したノードでロードバランサーをバインドします
service.kubernetes.io/qcloud-loadbalancer-backends-label: key in (value1, value2)
# 既存のロードバランサーのID
service.kubernetes.io/tke-existed-lbid:lb-6swtxxxx
# ロードバランサー(LB)のカスタムパラメーターは、LBタイプの変更をまだサポートしていません
service.kubernetes.io/service.extensiveParameters: ""
# LBリスナーのカスタムパラメーター
service.kubernetes.io/service.listenerParameters: ""
# ロードバランサーのタイプを指定します
# 有効な値: classic(Classic Cloud Load Balancer)またはapplication(Application Cloud Load Balancer)
service.kubernetes.io/loadbalance-type: xxxxx
# パブリックネットワーク帯域幅の課金方法を指定します
# 有効な値: TRAFFIC_POSTPAID_BY_HOUR(bill-by-traffic)およびBANDWIDTH_POSTPAID_BY_HOUR(bill-by-bandwidth)
service.kubernetes.io/qcloud-loadbalancer-internet-charge-type: xxxxxx
# 帯域幅の値を指定します(値の範囲:[1-2000] Mbps)。
service.kubernetes.io/qcloud-loadbalancer-internet-max-bandwidth-out: "10"
# この注釈が設定されている場合、ロードバランサーはポッドが実行されているノードのみを登録します
# そうでない場合、すべてのノードが登録されます
service.kubernetes.io/local-svc-only-bind-node-with-pod: true
ExternalName タイプ
ExternalNameタイプのServiceは、ServiceをDNS名とマッピングし、my-service
やcassandra
というような従来のラベルセレクターとはマッピングしません。
ユーザーはこれらのServiceにおいてspec.externalName
フィールドの値を指定します。
このServiceの定義では、例えばprod
というNamespace内のmy-service
というServiceをmy.database.example.com
にマッピングします。
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
name: my-service
namespace: prod
spec:
type: ExternalName
externalName: my.database.example.com
備考: ExternalNameはIpv4のアドレスの文字列のみ受け付けますが、IPアドレスではなく、数字で構成されるDNS名として受け入れます。
IPv4アドレスに似ているExternalNamesはCoreDNSもしくはIngress-Nginxによって名前解決されず、これはExternalNameは正規のDNS名を指定することを目的としているためです。
IPアドレスをハードコードする場合、Headless Serviceの使用を検討してください。
my-service.prod.svc.cluster.local
というホストをルックアップするとき、クラスターのDNS ServiceはCNAME
レコードとmy.database.example.com
という値を返します。my-service
へのアクセスは、他のServiceと同じ方法ですが、再接続する際はプロキシーや転送を介して行うよりも、DNSレベルで行われることが決定的に異なる点となります。
後にユーザーが使用しているデータベースをクラスター内に移行することになった後は、Podを起動させ、適切なラベルセレクターやEndpointを追加し、Serviceのtype
を変更します。
警告:HTTPやHTTPSなどの一般的なプロトコルでExternalNameを使用する際に問題が発生する場合があります。ExternalNameを使用する場合、クラスター内のクライアントが使用するホスト名は、ExternalNameが参照する名前とは異なります。
ホスト名を使用するプロトコルの場合、この違いによりエラーまたは予期しない応答が発生する場合があります。HTTPリクエストには、オリジンサーバーが認識しない
Host:
ヘッダーがあります。TLSサーバーは、クライアントが接続したホスト名に一致する証明書を提供できません。
備考: このセクションは、Alen KomljenによるKubernetes Tips - Part1というブログポストを参考にしています。
External IPs
もし1つ以上のクラスターNodeに転送するexternalIPが複数ある場合、Kubernetes ServiceはexternalIPs
に指定したIPで公開されます。
そのexternalIP(到達先のIPとして扱われます)のServiceのポートからトラフィックがクラスターに入って来る場合、ServiceのEndpointのどれか1つに対して転送されます。externalIPs
はKubernetesによって管理されず、それを管理する責任はクラスターの管理者にあります。
Serviceのspecにおいて、externalIPs
は他のどのServiceTypes
と併用して設定できます。
下記の例では、”my-service
“は”80.11.12.10:80
” (externalIP:port
)のクライアントからアクセス可能です。
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
name: my-service
spec:
selector:
app: MyApp
ports:
- name: http
protocol: TCP
port: 80
targetPort: 9376
externalIPs:
- 80.11.12.10
Serviceのデメリット
仮想IP用にuserspaceモードのプロキシーを使用すると、小規模もしくは中規模のスケールでうまく稼働できますが、1000以上のServiceがあるようなとても大きなクラスターではうまくスケールしません。
これについては、Serviceのデザインプロポーザルにてさらなる詳細を確認できます。
userspaceモードのプロキシーの使用は、Serviceにアクセスするパケットの送信元IPアドレスが不明瞭になります。
これは、いくつかの種類のネットワークフィルタリング(ファイアウォールによるフィルタリング)を不可能にします。
iptablesプロキシーモードはクラスター内の送信元IPを不明瞭にはしませんが、依然としてロードバランサーやNodePortへ疎通するクライアントに影響があります。
Type
フィールドはネストされた機能としてデザインされています。 - 各レベルの値は前のレベルに対して追加します。
これは全てのクラウドプロバイダーにおいて厳密に要求されていません(例: Google Compute EngineはLoadBalancer
を動作させるためにNodePort
を割り当てる必要はありませんが、AWSではその必要があります)が、現在のAPIでは要求しています。
仮想IPの実装について
これより前の情報は、ただServiceを使いたいという多くのユーザーにとっては有益かもしれません。しかし、その裏側では多くのことが行われており、理解する価値があります。
衝突の回避
Kubernetesの主要な哲学のうちの一つは、ユーザーは、ユーザー自身のアクションによるミスでないものによって、ユーザーのアクションが失敗するような状況に晒されるべきでないことです。
Serviceリソースの設計のでは、これはユーザーの指定したポートが衝突する可能性がある場合は、そのポートのServiceを作らないことを意味します。これは障害を分離することとなります。
Serviceのポート番号を選択できるようにするために、我々はどの2つのServiceでもポートが衝突しないことを保証します。
Kubernetesは各Serviceに、それ自身のIPアドレスを割り当てることで実現しています。
各Serviceが固有のIPを割り当てられるのを保証するために、内部のアロケーターは、Serviceを作成する前に、etcd内のグローバルの割り当てマップをアトミックに更新します。
そのマップオブジェクトはServiceのIPアドレスの割り当てのためにレジストリー内に存在しなくてはならず、そうでない場合は、Serviceの作成時にIPアドレスが割り当てられなかったことを示すエラーメッセージが表示されます。
コントロールプレーンにおいて、バックグラウンドのコントローラーはそのマップを作成する責務があります(インメモリーのロックが使われていた古いバージョンのKubernetesのマイグレーションも必要です)。 また、Kubernetesは無効な割り当てがされているかをチェックすることと、現時点でどのServiceにも使用されていない割り当て済みIPアドレスのクリーンアップのためにコントローラーを使用します。
ServiceのIPアドレス
実際に固定された向き先であるPodのIPアドレスとは異なり、ServiceのIPは実際には単一のホストによって応答されません。
その代わり、kube-proxyは必要な時に透過的にリダイレクトされる仮想 IPアドレスを定義するため、iptables(Linuxのパケット処理ロジック)を使用します。
クライアントがVIPに接続する時、そのトラフィックは自動的に適切なEndpointに転送されます。
Service用の環境変数とDNSは、Serviceの仮想IPアドレス(とポート)の面において、自動的に生成されます。
kube-proxyは3つの微妙に異なった動作をするプロキシーモード— userspace、iptablesとIPVS — をサポートしています。
Userspace
例として、上記で記述されている画像処理のアプリケーションを考えます。
バックエンドのServiceが作成されたとき、KubernetesのMasterは仮想IPを割り当てます。例えば10.0.0.1などです。
そのServiceのポートが1234で、そのServiceはクラスター内の全てのkube-proxyインスタンスによって監視されていると仮定します。
kube-proxyが新しいServiceを見つけた時、kube-proxyは新しいランダムポートをオープンし、その仮想IPアドレスの新しいポートにリダイレクトするようにiptablesを更新し、そのポート上で新しい接続を待ち受けを開始します。
クライアントがServiceの仮想IPアドレスに接続したとき、iptablesルールが有効になり、そのパケットをプロキシー自身のポートにリダイレクトします。
その”Service プロキシー”はバックエンドPodの対象を選択し、クライアントのトラフィックをバックエンドPodに転送します。
これはServiceのオーナーは、衝突のリスクなしに、求めるどのようなポートも選択できることを意味します。 クライアントは単純にそのIPとポートに対して接続すればよく、実際にどのPodにアクセスしているかを意識しません。
iptables
また画像処理のアプリケーションについて考えます。バックエンドServiceが作成された時、そのKubernetesコントロールプレーンは仮想IPアドレスを割り当てます。例えば10.0.0.1などです。
Serviceのポートが1234で、そのServiceがクラスター内のすべてのkube-proxyインスタンスによって監視されていると仮定します。
kube-proxyが新しいServiceを見つけた時、kube-proxyは仮想IPから各Serviceのルールにリダイレクトされるような、iptablesルールのセットをインストールします。
Service毎のルールは、トラフィックをバックエンドにリダイレクト(Destination NATを使用)しているEndpoint毎のルールに対してリンクしています。
クライアントがServiceの仮想IPアドレスに対して接続しているとき、そのiptablesルールが有効になります。
バックエンドのPodが選択され(SessionAffinityに基づくか、もしくはランダムで選択される)、パケットはバックエンドにリダイレクトされます。
userspaceモードのプロキシーとは異なり、パケットは決してuserspaceにコピーされず、kube-proxyは仮想IPのために稼働される必要はなく、またNodeでは変更されていないクライアントIPからトラフィックがきます。
このように同じ基本的なフローは、NodePortまたはLoadBalancerを介してトラフィックがきた場合に、実行され、ただクライアントIPは変更されます。
IPVS
iptablesの処理は、大規模なクラスターの場合劇的に遅くなります。例としてはServiceが10,000ほどある場合です。
IPVSは負荷分散のために設計され、カーネル内のハッシュテーブルに基づいています。そのためIPVSベースのkube-proxyによって、多数のServiceがある場合でも一貫して高パフォーマンスを実現できます。
次第に、IPVSベースのkube-proxyは負荷分散のアルゴリズムはさらに洗練されています(最小接続数、位置ベース、重み付け、永続性など)。
APIオブジェクト
ServiceはKubernetesのREST APIにおいてトップレベルのリソースです。ユーザーはそのAPIオブジェクトに関して、Service API objectでさらなる情報を確認できます。
サポートされているプロトコル
TCP
Kubernetes v1.0
stable- バージョン名は、
vX
(X
はバージョン番号を示す整数) という規則でつけられています。 - 安定版となっている機能は、これ以降のバージョンにおいても長期にわたって利用可能です。
ユーザーはどの種類のServiceにおいてもTCPを利用できます。これはデフォルトのネットワークプロトコルです。
UDP
Kubernetes v1.0
stable- バージョン名は、
vX
(X
はバージョン番号を示す整数) という規則でつけられています。 - 安定版となっている機能は、これ以降のバージョンにおいても長期にわたって利用可能です。
ユーザーは多くのServiceにおいてUDPを利用できます。 type=LoadBalancerのServiceにおいては、UDPのサポートはこの機能を提供しているクラウドプロバイダーに依存しています。
HTTP
Kubernetes v1.1
stable- バージョン名は、
vX
(X
はバージョン番号を示す整数) という規則でつけられています。 - 安定版となっている機能は、これ以降のバージョンにおいても長期にわたって利用可能です。
もしクラウドプロバイダーがサポートしている場合、ServiceのEndpointに転送される外部のHTTP/HTTPSでのリバースプロキシーをセットアップするために、LoadBalancerモードでServiceを作成可能です。
備考: ユーザーはまた、HTTP / HTTPS Serviceを公開するために、Serviceの代わりにIngressクラスター内のServiceに対する外部からのアクセス(主にHTTP)を管理するAPIオブジェクトです。 を利用することもできます。
PROXY プロトコル
Kubernetes v1.1
stable- バージョン名は、
vX
(X
はバージョン番号を示す整数) という規則でつけられています。 - 安定版となっている機能は、これ以降のバージョンにおいても長期にわたって利用可能です。
もしクラウドプロバイダーがサポートしている場合(例: AWS)、Kubernetesクラスターの外部のロードバランサーを設定するためにLoadBalancerモードでServiceを利用できます。これはPROXY protocolがついた接続を転送します。
ロードバランサーは、最初の一連のオクテットを送信します。 下記のような例となります。
PROXY TCP4 192.0.2.202 10.0.42.7 12345 7\r\n
クライアントからのデータのあとに追加されます。
SCTP
Kubernetes v1.12
alpha- バージョン名には
alpha
がつきます(例:v1alpha1
)。 - 現在もバグが多く含まれる可能性があり、この機能を利用するとバグが顕在化することがあります。そのため、現時点ではデフォルトで無効化されています。
- 予告なく、随時この機能のサポートを中止する場合があります。
- 予告なく、今後のリリースにおいて、互換性のないAPIの仕様変更が入る場合があります。
- 一時的な検証目的の利用に留めてください。現時点ではバグが顕在化するリスクが高く、また長期的なサポートも保証されていません。
KubernetseはService、Endpoint、NetworkPolicyとPodの定義においてα版の機能としてprotocol
フィールドの値でSCTPをサポートしています。この機能を有効にするために、クラスター管理者はAPI ServerにおいてSCTPSupport
というFeature Gateを有効にする必要があります。例えば、--feature-gates=SCTPSupport=true,…
といったように設定します。
そのFeature Gateが有効になった時、ユーザーはService、Endpoint、NetworkPolicyのprotocol
フィールドと、PodのSCTP
フィールドを設定できます。
Kubernetesは、TCP接続と同様に、SCTPアソシエーションに応じてネットワークをセットアップします。
警告
マルチホームSCTPアソシエーションのサポート
警告:マルチホームSCTPアソシエーションのサポートは、複数のインターフェースとPodのIPアドレスの割り当てをサポートできるCNIプラグインを要求します。
マルチホームSCTPアソシエーションにおけるNATは、対応するカーネルモジュール内で特別なロジックを要求します。
type=LoadBalancer Service について
警告: クラウドプロバイダーのロードバランサーの実装がプロトコルとしてSCTPをサポートしている場合は、type
がLoadBalancerでprotocol
がSCTPの場合でのみサービスを作成できます。
そうでない場合、Serviceの作成要求はリジェクトされます。現時点でのクラウドのロードバランサーのプロバイダー(Azure、AWS、CloudStack、GCE、OpenStack)は全てSCTPのサポートをしていません。
Windows
警告: SCTPはWindowsベースのNodeではサポートされていません。
Userspace kube-proxy
警告: kube-proxyはuserspaceモードにおいてSCTPアソシエーションの管理をサポートしません。
Future work
将来的に、Serviceのプロキシーポリシーはシンプルなラウンドロビンのバランシングだけでなく、もっと細かな設定が可能になります。例えば、Masterによって選択されるものや、水平シャーディングされたりするようになります。
我々もまた、いくつかのServiceが”実際の”ロードバランサーを備えることを想定します。その場合、仮想IPは単純にパケットをそのロードバランサーに転送します。
Kubernetesプロジェクトは、L7 (HTTP) Serviceへのサポートをもっと発展させようとしています。
Kubernetesプロジェクトは、現在利用可能なClusterIP、NodePortやLoadBalancerタイプのServiceに対して、より柔軟なIngressのモードを追加する予定です。
次の項目
- Connecting Applications with Servicesを参照してください。
- Ingressを参照してください。
- Endpoint Slicesを参照してください。
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